誰にでも起こる老化現象
生きていくうえで誰でも確実に起こる「老化現象」。
外観の変化や体内の機能低下を引き起こし、若いころとは異なる体や見た目に変化してしまいます。
さらに年齢を重ねていくと老化現象による病気を引き起こすようになってきます。
一般的に広く知られている老化現象には
- シワやたるみ
- 白髪や薄毛
- 老眼
- 体力の低下
- 聴力の低下
- 骨が弱くなる
- 筋力の低下
- 基礎代謝の低下
などが実感されやすく、誰しもが悩まされるようになります。
しかし同じ年齢なのに衰えを感じさせない人や、反対に同じ年齢には見えないほど老け込んでしまっている人を見かけることがあると思います。
人々はなぜ老化するのか、なぜ老化するスピードは人によって異なるのでしょうか。
老化を引き起こす原因
老化が起こる根本的な原因はいまだに完全には解明されていません。
しかし、生物の体を作る細胞が正常に働かなくなることで様々な機能の低下が起こり、それが老化現象を起こすことがわかっています。
細胞が正常に動かなくなってしまう原因には様々な影響により、傷つけられたり、形がおかしくなることによるものです。
細胞が異常を起こすのは「酸化」や「糖化」、「栄養不足」、「紫外線」が代表的なものとしてあげられます。
酸化の原因は活性酸素
活性酸素による老化はテレビなどでも取り上げられることも多く、活性酸素による老化を「体がさびてしまう」といった表現をします。
活性酸素は呼吸により取り入れた酸素のうち2%ほどが変化して体内に発生します。
生きている限り活性酸素の発生を完全に防ぐことはできません。
非常に攻撃性の高い物質であり、本来は体内に侵入した細菌やウイルスを死滅させるために、白血球などにより使用される「人間の持つ免疫の1つ」なのですが、生活習慣や環境の影響で必要以上に作られた活性酸素が細胞に攻撃をはじめ、老化の原因になってしまうのです。
体内にはもともと、必要以上に増えすぎた活性酸素を取り除く機能があるのですが、40歳前後からこの機能が急激に衰え、活性酸素から身を守る力がなくなり、細胞がどんどん攻撃されてしまいます。
そして活性酸素により傷つけられた細胞は栄養と老廃物の出し入れができなくなってしまい、正常な働きができなくなってしまいます。
こうして酸化による老化が起きてしまいます。
寿命にも関わる糖化の恐ろしさ
これは食事で過剰に摂取してしまった糖質が体内でタンパク質と結びつき、AGEsという老化を進める物質をつくり、細胞を攻撃します。
本来、糖は人間が活動するのに必要不可欠なエネルギーですが、取りすぎて余ってしまった糖は老化の原因になります。
甘いものやスナック菓子、米やパン、麺類などの炭水化物の食べ過ぎは糖化を大きく進めてしまうことになります。
AGEsが体にたまってくると細胞が炎症をおこし、細胞がもろくなり、壊れやすくなってしまいます。
血管の弾力がなくなり動脈硬化のリスクが上がったり、肌にたるみやシワを作ったり、肌全体が黄色っぽくくすんでしまうようになってしまいます。
糖化してしまったタンパク質を完全に元の状態に戻すことはできないため、予防に取り組むことが非常に重要な老化現象です。
糖化が原因となって糖尿病や、動脈硬化といった命に大きくかかわる病気を引き起こすので、油断してはいけません。
現代人の食生活は老化を進める危険性あり
近年では新型栄養失調と言われるビタミン、ミネラル、タンパク質といった体を作るのに必要な栄養素が不足した食生活が問題視されています。
細胞に充分な栄養がいきわたらなくなると、正常な働きができなくなり、体の老化が進んでいってしまいます。
栄養不足による老化は筋力や骨が衰え、寝たきりになるリスクや、内臓機能や免疫力の低下により心臓病や肺炎のリスクが上がり、生活の質(QOL)を大きく低下させてしまう危険性があります。
年齢とともに食が細くなっていってしまったり、自炊がなかなかできずに不規則な生活になっていると、自然に栄養不足に陥りやすい環境であるため、意識的に改善しなくてはならない問題です。
見た目年齢を一気に老けさせる紫外線
肌の弾力を保持するために必要なコラーゲンやエラスチンを傷つけ、深いシワやたるみを作る原因になります。
また紫外線の影響は長年蓄積され、何年も立った後に急に皮膚がんやシミとして表れることもあります。
肌以外にも紫外線は目や髪などの直接紫外線にあたる部分を傷つけ、老化を加速させます。
紫外線による老化は遺伝によって耐性に大きく差があります。
日焼けをするとすぐに黒くなってしまう人は耐性が強く、日焼けをしても赤くなってすぐに戻ってしまう人は耐性が弱いのです。
これはメラニン色素を作って紫外線から肌を守る能力の差で、生まれつき決まっているので変えることができません。
人種によっても差があり、白人は日本人の100倍ほど皮膚がんになるリスクが高くなると言われています。
色が白く、日焼けをしてもすぐに戻ってしまう人は、普通の人よりも注意しなくては老化が早まってしまうので若いうちから、しっかりとした対策を取る必要があります。
男はいつから老化するのか
生活環境や食生活の差で老化が始まる年齢は異なりますが、だいたい20代半ばごろから緩やかに始まり、40歳で一気に加速すると言われています。
場所によっても老化が始まる年齢が異なり、肌や血管、脳は20代から、耳は30代から、目は40代から自覚症状が出ると言われています。
男性の場合は30代ごろから本格的に老化を感じる人が多く、見た目にも大きな差が生まれてくるのでターニングポイントと言えるでしょう。
30歳からの男性の老化スピードはその人の生き方によって大きく変化し、将来の健康状態、見た目にはっきりと表れることになります。
老化を進める日々の過ごし方
生活習慣や食生活の差で老化するスピードは大きく変わります。
特に老化を進めてしまう習慣は
- 喫煙
- 飲みすぎ
- 食べすぎ
- 運動不足
- 毎日が同じことの繰り返し
- ストレス
- 紫外線対策をしない
これらを続けていると老化が早まります。
活性酸素や糖化、栄養不足、紫外線といった老化の原因を受けるだけでなく、毎日会社と家の往復といったいつも一定の生活を繰り返していると、新しい刺激がなくなり脳が急速に老化していきます。
脳の老化は感情をつかさどる前頭葉から始まり40代ごろにはMRIで見たときに小さくなっていることがわかるほどになります。
脳が老化してしまうと感情がうまくコントロールできず突発的にキレるようになってしまったり、新しいものに興味がなくなったり、物忘れが激しくなったり、考える力が低下してしまいます。
老化する習慣を続けてしまうと外見だけでなく内面まで老化してしまうのです。
喫煙の与える影響は、こちらの記事を参考にしてみてください。
喫煙者こそスキンケアが必要な理由!タバコが与える肌への影響!
中年のオジサンにならないようにするには
食生活と生活習慣を変えることで老化を予防する方法はたくさんあります。
老化を早めてしまう習慣にあてはまった人はすぐにでも若くいるための習慣に切り替えましょう。
アンチエイジングは40代までに始めるとより早く効果を実感することができます。
「中年のオジサン」になりたくなければ若いうちから取り組み始めましょう。
若い体を作る食生活を送る
アンチエイジングに効果的な食事を心がければ老化は非常に緩やかになります。
老化を緩やかにするために重要な栄養素は
- タンパク質
- 良質な脂質
- ビタミン類
- 食物繊維
- フィトケミカル
- ミネラル
- 低GI食品
これらを食事に取り入れることが有効です。
タンパク質は新しい細胞を作るために必要不可欠なので、絶対に欠かすことができない栄養素です。
肉や魚、大豆に多く含まれるので毎日欠かさず摂取する必要があります。
カロリーを取りすぎないように肉ばかりで摂取することは控えましょう。
脂質はエネルギーになったり、ビタミンの吸収に必要であったりとアンチエイジングに必要な成分です。
取りすぎや、質の悪い脂質は逆に肥満や老化につながってしまうので、良質なオリーブオイルやごま油がおススメです。
ビタミン類はアンチエイジングに最も必要な栄養素になります。
強力な抗酸化力を持つビタミンCやビタミンE、新しくきれいな肌を作るためのビタミンAやビタミンB群をバランスよく取る必要があります。
ビタミン類は組み合わせることで効果を最大に発揮するので、すべてをバランスよく取る必要があります。
野菜や果物にビタミンは多く含まれるので食事の中に多くの野菜を使ったサラダを取り入れることがおススメです。
ビタミンは調理の過程で壊れてしまうこともあるので生で取ることが一番確実です。
食物繊維は余分な脂肪の吸収を抑えたり、高血圧や糖化の予防に効果的です。
海藻類や寒天、こんにゃくに多く含まれる水溶性の食物繊維を多くとることがアンチエイジングには効果的です。
フィトケミカルはポリフェノールやリコピンなどの野菜が独自に持つ栄養素の総称です。
ビタミンよりも強い抗酸化力を持つため、近年注目されている成分です。
こちらもビタミンと同じくサラダで取ることができるので、野菜はアンチエイジングに欠かせません。
トマトやピーマン、ニンジンなどの色の濃い野菜に含まれることが多いのが特徴です。
ミネラルは体内の活性酸素を除去する働きに必須の栄養素であり、若々しく体を保つための成長ホルモンや性ホルモンの分泌を助ける役割があります。
煮干しや焼きのり、納豆などに多く含まれるのでの欧米化した食生活では不足しやすいので意識して食事に取り入れる必要があります。
低GI食品は糖化を抑えるために効果的で、食事で血糖値が急激に上昇することを抑えた食品です。
糖質制限ができるためダイエットにも非常に効果的で、脂肪の吸収を和らげる機能もあります。
乳製品や玄米、きのこ類などが代表的です。
白米やパンなどはGI値が非常に高いため、主食を変えてみるのもおススメです。
人間の体は食事によって取り入れられた栄養によって作られるため老化のスピードに大きく関係します。
これらの栄養素を食事に取り入れることで若々しい体を作りましょう。
若さを保つ生活習慣
暴飲暴食、喫煙は老化を急速に進めるため、できる限り控えるが望ましいです。
また適度な運動をする習慣をつけることも現代人にとって最も重要なアンチエイジングです。
アメリカ政府が実施させた研究で、運動の習慣がある人のほうが全く運動しない人に比べて細胞が若いままであることが多いことがわかっており、40歳から65歳までの年代で特に大きな差が見られることがわかっています。
現代人は運動不足に加え、パソコンの前で長時間同じ姿勢でいることが多いため、体の老化が早まってしまうリスクが高いのです。
週に2~3日ほどでもウォーキングやジョギングしたり、スポーツを趣味で始めてみるなど体を動かす機会を作りましょう。
ダイエットや引き締まった体を手に入れることもできるので、見た目も若く保つことができます。
効率的な運動は、こちらの記事を参考にしてみてください。
さらに老化を緩やかにするには睡眠時間とストレスも大きな影響を与えます。
肌のターンオーバー(新陳代謝)は寝ているあいだに行われます。
ターンオーバーを充分に行うには6時間以上の睡眠時間と睡眠の質が重要になります。
睡眠の質を上げるには、寝る直前までスマホやパソコンを見ないことや夜にカフェインを取らない、自分に合った枕を使用することで可能です。
次にストレスは体内に活性酸素を発生させてしまうため、なるべくため込まないことが重要です。
運動や充分な睡眠はストレス解消に効果的なので同時に2種類の老化予防につながります。
考え込みやすい性格やせっかちな人はストレスがたまりやすいため、運動と睡眠に加えて、脳に直接リラックス作用を与える匂いにこだわってみたり、意識的に何も考えない時間を取ることも効果的です。
規則正しい生活習慣が自分の生活のリズムに定着すれば無理せずに老化しにくい生活を手に入れることができます。
何事も始める最初は辛いですが慣れてしまえば自然と続けられるようになります。
不健康な生活習慣を送っている場合は大幅なライフスタイルの変更になり、よほどの根性がなければ継続できないので、1つずつ取り組んで確実に習慣にしていきましょう。
見た目年齢はスキンケアで差がつく
最近では清潔感のある見た目が仕事や恋愛の場で1つのスキルとして求められるため、若い世代を中心に化粧水などでスキンケアをする男性が年々増えてきています。
男性は女性と違い、毎日ヒゲソリで肌を傷つけるため、シワやシミが口周りにできやすいことや、肌の水分が女性と比べて半分以下なので乾燥して一気に顔が老けた印象になりやすく、スキンケアによる見た目年齢の差がつきやすいのです。
世間のイメージする中年のオジサンになりたくなければスキンケアは絶対に必要なものです。
男性の肌に最も必要なのはしっかりと保湿することです。
肌の水分が少ない男性は、口やアゴの周りがカサつき、おでこから小鼻にかけて皮脂でベタベタになりやすい特徴があり、これはどちらも肌が乾燥していることが原因で引き起こされます。
肌が最も老化するのは乾燥している状態です。
シワ、シミ、くすみができやすく、ターンオーバーが正常に行われなくなるため、古い角質が肌に残りやすく、肌全体が硬くガサガサした状態になってしまいます。
いつまでも若く、魅力ある見た目でいるためにスキンケアに取り組みましょう。
今からスキンケアを始める方、詳しいことが知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
紫外線から肌を守る
肌を老化させないためには紫外線に対して正しい知識を持って対策をしなくてはなりません。
紫外線には貫通する力が強い「UVA」と貫通力はないがパワーがかなり強い「UVB」の2種類があります。
UVAは肌の奥深くまで届き、細胞や遺伝子を破壊して大きなシワやシミの原因になります。
肌の奥にある真皮まで到達してしまったダメージは基本的に修復をすることが不可能なので予防をすることが重要です。
次にUVBは肌がヒリヒリして痛みや、水ぶくれなどを発生させる強力な紫外線です。
肌の奥までは届きませんが、表面の肌細胞を大きく傷つけ、細胞の核であるDNAまで破壊してしまいます。
皮膚がんを引き起こす力がUVAより強く、肌をひどいやけどのような状態にしたり、急激に強い肌荒れや乾燥肌を引き起こします。
紫外線のダメージは長時間蓄積され、急に表面化することが多いので、油断してなんの対策もしていないと10年後や20年後に取り返しのつかないことになるがあります。
最も簡単に取り組める紫外線対策は日焼け止めを使うことです。
UVAを防ぐ能力を「PA」、UVBを防ぐ能力を「SPF」と言います。
どちらも高ければ高いほど紫外線を防ぐ力が強いのですが、同時に肌への負担も大きくなります。
普段の生活ではPA++、SPF10~30程度のものを外出するタイミングにぬり、炎天下のなか1日中外にいるときには最高値であるPA++++、SPF50+のものといった風に使い分けることがおススメです。
他にも服や帽子、サングラスで肌に直接紫外線が当たることを控えることも重要です。
予防をしていても日焼けをしてしまった場合はすぐにアフターケアに取り組む必要があります。
紫外線により日焼けをしてしまった肌はやけどと同じ状態になっているため、当日中にすぐ冷やさなくてはなりません。
冷やした後は刺激の少ないスキンケア用品を使用して、充分に保湿をします。
日焼けによって乾燥してしまった肌をそのまま放置してしまうとシワやたるみの原因となり、老化を早めてしまうことになります。
そして日焼けによる痛みが落ち着いてきたころに美白ケアに取り組みます。
メラニン色素が作られてシミやくすみが残ってしまわないようにするためです。
ただし美白効果を持つ成分は荒れた状態の肌には刺激が強すぎるため、日焼けをした箇所の痛みが完全にひいてから使用しましょう。
紫外線に関しての対策は、こちらの記事を参考にしてみてください。
まとめ
30代を超えてくると同じ年齢であっても、人によって見た目や健康状態に大きな差が表れてきます。
この若々しさの差は生活習慣や食生活を含めた生き方の違いによるものです。
今後の健康のためにも、いつまでも魅力的であるためにも、今一度自分の体とゆっくり向き合い、老化に対して考える機会を持ってみてはいかがでしょうか?