「洗顔」は、1日で顔に付いた汚れや皮脂を落とすのに必要なスキンケアです。
顔に汚れや皮脂が残ったまま放置し続けると「毛穴」が詰まり、様々な肌トラブルに悩まされることになります。
水やお湯だけでも充分汚れが落ちているように感じますが、毛穴の奥に詰まった汚れや皮脂までは落とすことが出来ません。
特に皮脂量が多くベタつきやテカリの出やすい男性にとっては、洗顔で顔の汚れを落とすことは「見た目を清潔に保つ」ためにも、欠かすことが出来ないスキンケアなのです。
男性のスキンケアに洗顔は欠かせない
男性の肌は女性と比べておよそ3倍の皮脂分泌量があり、毛穴も大きいため、汚れがたまりやすく「ニキビ」や「吹き出物」といった肌トラブルを起こしやすい特徴があります。
そのため男性が水やお湯だけで洗顔に取り組むと、様々な肌トラブルに繋がります。
分泌された皮脂は、空気中の酸素によって「酸化」という反応をおこし「過酸化脂質」という物質に変化します。
過酸化脂質を水やお湯だけで充分に落としきることは難しく、アクネ菌が繁殖してしまうためニキビが出来やすくなってしまいます。
さらに酸化した皮脂や汗を、菌が分解する際に「強い臭い」が発生します。
この強い臭いの正体は「オジサン臭」や「加齢臭」であり、周りの人に強い不快感を与えることになります。
特に30~40代になると、このタイプの臭いが発生しやすくなります。
男性にとって洗顔は、見た目を清潔に保つためだけでなく「マナー」としても取り組まなくてはならないものなのです。
加齢臭についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
正しい方法で洗顔に取り組もう
男性は顔をゴシゴシと洗ってしまいがちですが、それは大きな間違いです。
肌を傷つけてしまうと「肌の老化」が進んでしまうため、正しい方法で洗顔に取り組まなければなりません。
まず手を清潔にした後、30~35℃程度のぬるま湯で顔全体を優しく洗います。
手に汚れが残ったままだと泡が立ちにくく、雑菌が多く生息しているため事前に清潔にしておきましょう。
ぬるま湯で顔を洗ったら次に洗顔料をよく泡立てます。
洗顔料は泡に汚れを吸着させて洗い流すメカニズムなので、しっかりと泡立てないと汚れを落とすことが出来ません。
キメの細かい泡を作ることで汚れを吸着する力が上がるため、しっかりと泡立てを行いましょう。
手で泡立てることが上手くいかない人は「泡立てネット」を使うと簡単にキメ細かな泡を作ることが出来ます。
泡立てが終わったら顔全体を泡で優しく洗っていきます。
このときに手でゴシゴシと洗ってしまうと、肌にダメージを与えてしまうので気をつけましょう。
泡は皮脂量の多いTゾーン(おでこから小鼻にかけて)から乗せていき、最後に皮脂量の少ない「口元」や「目元」を洗っていきます。
長時間泡を乗せていると肌に負担がかかってしまうので注意しましょう。
顔を洗い終えたら、流し残しがないように全体を洗い流していきます。
洗顔料が顔に残ってしまうと肌荒れやニキビ、吹き出物の原因になってしまいます。
雑に流さず全体に流し残しがないことが確認できるまでしっかりと取り組みましょう。
洗顔料の種類
洗顔料は成分や作り方、目的によって形状が異なります。
それぞれの肌質や目的に合わせて作られているため、自分の肌にとって最適なものを自分で選ぶ必要があります。
今ある洗顔料の種類は
- フォームタイプ
- 石鹸
- スクラブタイプ
- 泡タイプ
- ジェルタイプ
- 泡立たないタイプ
などがあります。
それぞれの洗顔料の特徴を知り、自分にあった洗顔料選びが出来るようになりましょう。
洗顔料の主流であるフォームタイプの特徴
現在販売されている洗顔料の多くが、このフォームタイプと言われる、チューブから出して使うクリーム状のものです。
泡立ちが良く保湿成分が配合されていることもあり、洗い上りがしっとりとする特徴があります。
また高価な美容成分を配合しているものも多くあります。
メーカーによって特徴が出てくるため、様々な選択肢があり、多くの肌質、悩みに対応することが出来ます。
ただ数多くの商品が存在するため、自分の肌質と悩みに合うものを見つけるのに迷ってしまうかもしれません。
洗浄力も強いものから弱いもの、保湿力も高いものから低いものまで幅広く存在しているため、商品によってとても差がある洗顔料のタイプです。
天然成分がメインの石鹸タイプの特徴
天然成分がベースとなって作られているのが、石鹸タイプの最大の特徴です。
基本的には洗浄力が強くシンプルな配合で作られているものが多いのですが、最近では洗浄力の弱いものや保湿成分を多く配合する高価なものも出てきており、肌質に合わせて選択できる幅が広がってきています。
また洗顔石鹸は泡切れが良く、流し残しが出にくいため、すすぎにあまり時間をかけない男性にとっては相性が良いと言えるでしょう。
ただし天然成分を多く含んでいるため、アレルギー体質の人には注意が必要です。
数年前に社会問題になった、洗顔石鹸によって深刻な小麦アレルギーが発症したケースもありました。
一般の人には肌に良い成分であっても、アレルギー体質の人には深刻な症状を引き起こす場合があるため、原材料に注意して選ぶ必要があります。
ガッツリ汚れを落とすスクラブタイプの特徴
スクラブタイプは通常の洗顔で取り切れない「毛穴の奥に詰まった汚れ」や「古い角質」を落とすことが出来る、強力な洗浄力を持つ洗顔料になります。
そのため肌質によって大きな効果を感じる人と、肌トラブルを起こしてしまう人のどちらかに分かれてしまいます。
肌のザラツキが気になる人や、皮脂が多く毛穴に汚れがつまりやすい人には最適な洗顔料と言えます。
古い角質を落とすことで肌がすべすべになったり、肌のくすみが消え肌の色が明るくなったり、毛穴の黒ずみや角栓のつまりを取り除くことが出来たりと、肌の悩みを大きく改善することが出来ます。
しかし敏感肌や乾燥肌の人には、肌に与える刺激が強すぎて症状を悪化させてしまいます。
自分の肌質を理解したうえで使用するか判断が必要な洗顔料になります。
めんどくさい泡立てがいらない泡タイプの洗顔料の特徴
最近増えてきたポンプを押すと泡が出てくるタイプの洗顔料になります。
自分で泡立てる必要がなく、手軽に洗顔に取り組めるメリットがあります。
しかし洗顔フォームや石鹸などの泡とは異なり、泡でポンプから出てくる作りの都合上「水分の多い泡」になってしまいます。
またメーカーごとに泡の質感、中身の成分が大きく異なるため、自分の肌に最適なものを選ぶには成分の特徴を見て選ぶのが良いでしょう。
泡立てが簡単なジェルタイプの特徴
ジェルタイプの洗顔料には水分が多く含まれており、泡立てがしやすいといった特徴があります 。
洗浄力と保湿力ともに高い商品が多く、脂性肌の人向けに作られているものが多いです。
洗顔後のすすぎが不十分だと顔にヌルヌルした感触が残るため、すすぎ残しがわかりやすいのもジェルタイプの特徴になります。
特殊な泡立たないタイプの洗顔料の特徴
泡立たないタイプの洗顔料は、他のタイプと比べてかなり特殊な洗顔料になります。
洗浄力が非常に低いのが特徴であり、肌が弱い人や乾燥肌の人には最適ですが、脂性肌の人には余分な皮脂が残ってしまう可能性が高く不向きなものになります。
他の洗顔料よりも美容成分を多く含む作りのものが多く、スキンケアをしながら洗顔に取り組むことが出来ます。
泡を使わない新しい方法での洗顔なので、最初は違和感を感じるかもしれません。
肌質、悩みにあわせた洗顔料の選び方
様々な種類がある洗顔料の中から自分に最適なものを選ぶためには
- 肌質
- 生活環境
- 季節と商品の特徴
- どのような肌質向けに作られているものなのか
などを理解する必要があります。
乾燥肌の人と脂性肌の人では当然最適な洗顔料は変わってきますし、室内で働いている人と外で働いている人では1日で顔に付着する汚れの量も違います。
様々な違いがあるため、1人1人肌の状態も当然異なります。
自分の肌の状態を理解し、最適な洗顔料を見つけていきましょう。
乾燥肌の人が洗顔料を選ぶ時のポイント
乾燥肌の特徴は、水分と油分が健康な状態に比べて不足していることです。
それに対して洗顔料は、皮脂や汚れを落とすことが目的に作られています。
なのでノーマルな肌質に合わせた洗顔料では皮脂を過剰に落としすぎてしまうことになるので、乾燥肌の症状を悪化させてしまいます。
乾燥肌の人が洗顔料を選ぶ際にポイントになるのは
- 洗浄力が優しいもの
- 保湿効果のあるもの
この2つになります。
具体的にはマイルドな作りをしている「フォームタイプ」「石鹸タイプ」、乾燥肌の症状が重ければ「泡立たないタイプ」の洗顔料が良いでしょう。
ただしどんなに成分が優しい作りであっても、ゴシゴシと摩擦を与えながら洗ってしまうと乾燥肌の症状が悪化してしまいます。
せっかく自分の肌に合った商品を選んでいても、正しい方法で洗顔しないと全く意味がなくなってしまうので注意してください。
乾燥肌についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
【男の乾燥肌はこれで解決!!】正しい方法を知れば肌は生まれ変わる!
脂性肌の人が洗顔料を選ぶ時のポイント
脂性肌は皮脂が健康な状態よりも多く分泌されている状態であり、男性はもともと皮脂分泌量が多いため脂性肌、インナードライ肌(皮脂分泌量が多く内部が乾燥した状態)の人がとても多いです。
過剰に分泌された皮脂は「ニキビ」「吹き出物」「毛穴のつまり」「黒ずみ」「臭い」といった多くの男性が悩まされるトラブルの原因になります。
そのため男性にとって洗顔で皮脂や汚れを落とすことは絶対に欠かすことが出来ないのです。
一般的に女性の3倍と言われている男性の皮脂をしっかりと落とすためには、ある程度の洗浄力を持ったものでなければいけません。
しかし皮脂を単純に落としただけでは、より多くの皮脂を分泌するようになってしまいます。
そのため必要な分は残しながら、過剰に分泌された皮脂を落とすことが理想的な洗顔となります。
ただし毛穴のつまりや黒ずみが気になる場合は、しっかり落とし切らないと一向に改善されないので、徹底的に洗うのが良いでしょう。
ガッツリと毛穴のつまりを落としたい人は「スクラブタイプ」のものや「ジェルタイプ」のもの。
皮脂量が多いだけの人は「フォームタイプ」や「石鹸タイプ」で、洗浄力と保湿効果の両方を持つものが最適でしょう。
ただし洗顔で皮脂を落とした後「保湿ケア」に取り組まないと、肌の内部が乾燥してしまい「インナードライ肌」になってしまうので、保湿ケアは絶対に行いましょう。
脂性肌についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
敏感肌の人が洗顔料を選ぶ時のポイント
敏感肌は肌のバリア機能が正常に働いていない状態であるため、普通肌の人には全く影響のない刺激でも炎症を起こしてしまいます。
そのため洗顔料は刺激の弱いものでなければなりません。
洗顔料を選ぶときに最も注意が必要なことは「洗浄力の強さ」です。
洗浄力の話になると天然のものが優しくて良いという話を耳にすることが多いのですが、洗浄力の強さに違いはありません。
天然成分でも洗浄力が強いものはありますし、石油成分でも洗浄力の弱いものがあります。
界面活性剤を正しく理解するには膨大な量の専門的な知識が必要であり、専門的な職業についている人でないと複数の界面活性剤が異なる分量で混ざり合って出来ている「洗顔料」や「シャンプー」「ボディーソープ」「石鹸」などの洗浄力の強さを正確に判断することは出来ません。
そのため敏感肌の人の肌にあわせて洗浄力が弱く作られている、敏感肌用の商品以外は選ばないようにした方が良いでしょう。
また敏感肌用でも刺激を感じたら使用を止め、洗顔に1分以上時間をかけないこと、肌をこすらないようにしっかり泡立てることなどに注意しながら洗顔に取り組みましょう。
敏感肌についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
【肌が弱い男性は必見!】男が敏感肌になる原因と効果的な改善方法
ニキビに悩む人が洗顔料を選ぶ時のポイント
ニキビ肌に対する洗顔料の選び方は、ニキビの状態によって変わってきます。
既にニキビが出来てしまっている場合は、ニキビに効果のある成分が配合されつつ「刺激が弱いもの」が良いでしょう。
またニキビが出来ていない、もしくは初期症状の段階では、毛穴に詰まった汚れを取り除く「スクラブタイプ」のものが最適になります。
既にニキビが出来ている場合に、強い洗浄力を持つものや刺激が強いものを使用してしまうとニキビが悪化する可能性があります。
そのため「抗炎症作用」のあるものや「抗菌作用」のある洗顔料を使うようにしましょう。
ただしそれでもニキビの症状がおさまらなかったり、悪化する場合は、自分で行うケアだけでは難しいため皮膚科で薬をもらって治療していくようにしましょう。
悪化したニキビは自己判断でケアすると、大きなニキビ跡が出来てしまう可能性が非常に高いので絶対に止めましょう。
ニキビを繰り返すが今はニキビが出来ていない状態であったり、白ニキビや黒ニキビといった「赤くなっていない状態」の場合は、毛穴につまった皮脂などの汚れを取り除くことが重要です。
なので、毛穴の汚れをしっかりと落とすことが出来る「スクラブタイプ」が向いているということになります。
ニキビの状態に合わせてしっかり洗顔やスキンケアに取り組まなければ、一生残ってしまうニキビ跡が出来てしまいます。
一向に改善しなかったり繰り返しニキビが出来しまう場合は、迷わず皮膚科で診察を受けましょう。
ニキビ跡についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
まとめ
様々な特徴を持つ洗顔料がある中で、自分の肌に最適なものを選ぶためには「自分の肌質」と「洗顔料の特徴」を理解することが必要です。
自分の肌質と全く合わない洗顔料を選んでしまうと「見た目の老化」を加速させることになったり、肌トラブルを引き起こしてしまうことになります。
清潔感を手に入れ、若々しい見た目を保つためにも洗顔にしっかり注目してみましょう。