セラミドとは
最近保湿成分として注目されている「セラミド」。
もともと人間の肌に存在する化合物であり、角質層にある細胞と細胞の隙間に存在して「細胞同士を接着する役割」と、水分と油分を抱えこんで「肌のうるおいを保つ役割」のある、肌のうるおいには決して欠かせない成分です。
セラミドのある角質層は肌の表面に存在するため、肌へのなじみや浸透性が最も高い成分の1つであり、非常に保湿効果の高い物質です。
またセラミドをはじめとした細胞の隙間を埋める物質が「肌の水分の80%以上を保持している」ため、肌のうるおいを左右する成分であるといえます。
さらにセラミドは「肌の表面を外部の刺激から守るためのバリア機能」も持っています。
細胞同士の隙間を埋めることで、肌内部への細菌や異物の侵入を防いだり、摩擦や紫外線などの刺激で肌荒れが起こらないように肌を守ってくれる役割をしています。
セラミドのもつ高い保湿力

肌のすき間に水分を補充するセラミドは、肌のうるおいの80%を占める成分であるため、セラミドで保湿をすることは肌にうるおいを与える効果がとても高く優秀です。
セラミドが充分に足りている肌は、極端に乾燥している場所でも「肌のうるおいがキープ出来る」とまで言われている成分です。
さらに保湿効果が持続する時間が長く、濃密なものだと「1日中効果が持続する」こともあるほど優秀な成分です。
これは、セラミドが細胞のすき間を水分と油分を抱え込みながら埋めることで、水分が蒸発することを防いでくれるため、肌にうるおいを閉じ込めることが出来るからです。
肌のバリア機能の役割を持つ
セラミドは肌のバリア機能の中で皮脂膜の1つ内側に位置し、皮脂膜のバリア機能で防ぎきれなかった異物や刺激が肌内部へと侵入することを防いだり、肌内部から水分が蒸発していくのを防ぐ役割があります。
バリア機能の中でも水分の蒸発を防ぐ機能は皮脂では不十分であり、セラミド無しでは、どんどん水分が蒸発してしまい、乾燥肌や敏感肌といった症状になりやすくなります。
セラミドをはじめとした細胞のすき間を埋める物質は「細胞間脂質」と言われ、「ラメラ構造」という疎水性の層と親水性の層が交互に積み重なっている構造になっています。
この「ラメラ構造」は、水に溶けやすい物質も油に溶けやすい物質も通しにくいため、外部からの様々な性質を持った異物の侵入を防ぐことができ、また逆に体内からの水分の蒸発も防ぐことができるのです。
細胞間脂質を構成する物質の50%以上はセラミドからできているため、セラミドが不足すると肌のバリア機能が壊れてしまいます。
セラミドは非常に安全性が高い
セラミドはもともと肌にある成分なので「副作用を起こす可能性は極めて低い」です。
また普段の食事で口にする「米」や「小麦」「海藻類」などに含まれているため、知らないうちに毎日セラミドは体内に摂取されています。
敏感肌の人やアレルギーの人にも安全に使える物質です。
さらに医療の現場でセラミドをアトピーの治療にも使われることもあります。
セラミドを使ったスキンケア用品で、何かしらの異常が現れた場合は、他の成分が原因となっていることが多いので、セラミド以外の成分にも注目してみましょう。
セラミドの種類
セラミドには複数の種類が存在します。
それぞれ同じセラミドなのですが、少しずつ働きに違いがあります。
- 「セラミド1」は水分をキープする力と、肌を異物や刺激から守る力が強い
- 「セラミド2」は肌に最も多く含まれ、水分をキープする力が最も強い
- 「セラミド3」は水分をキープし、シワを予防、改善する
- 「セラミド4と5」はバリア機能を作り、維持する
- 「セラミド6」はターンオーバーを促進させる
これらの働きがあり、この中でも「1~3」は肌にとってかなり重要なセラミドだと言われています。
セラミドの原料の違い

- ヒト型セラミド
- 植物性セラミド
- 天然セラミド
- 疑似セラミド
の4種類に分けられることが多いです。
「ヒト型セラミド」は酵母から作られ、人の持つセラミドと同じ構造をした形で作られます。
保湿力、安全性共に非常に高く優秀な成分です。
「植物性セラミド」は天然、ヒト型と比べると効果は劣り、原料によってはアレルギーが出ることもあるため注意が必要です。
「天然セラミド」は馬から作られることが多く、人のセラミド構造と似ているため、なじみがよく、保湿力、安全性も高く、肌荒れを改善する能力もあるため、敏感肌やアトピーの人にも使えます。
しかし他のセラミドと比べて価格が高く、充分に配合するには高価な化粧品でしか出来ません。
「疑似セラミド」は石油からセラミドに似た物質を作ったもので、本物のセラミドと比べて効果は落ちますが、大量生産が出来るため、価格が非常に安いのが特徴です。
安全面と価格面、効果を考えると「ヒト型セラミド」が含まれるものが1番おススメです。
セラミドが不足すると起こること
セラミドは加齢とともに急激に肌から失われていく成分です。
50歳になると肌に含まれるセラミドの量は20歳のころの半分になってしまいます。
肌からセラミドが失われると
- 乾燥肌になってしまう
- 敏感肌になってしまう
- 老化が早まる
- 肌荒れが起こる
- アトピー性皮膚炎の原因になる
これらの悩みが発生します。
セラミドが不足してくると「細胞間脂質」が失わて「ラメラ構造」が破壊されます。
ラメラ構造が破壊されてしまうと、細胞と細胞の間にすき間ができてしまい、バリア機能が正常に働かなくなってしまいます。
こうなると、肌の内部にある水分が蒸発するようになってしまい、肌からうるおいが失われていき、乾燥肌になってしまいます。
さらに外部からの刺激や異物の侵入を防ぐ力が失われてしまうため、敏感肌になってしまい、細菌の侵入などにより肌荒れが起こりやすくなります。
肌の水分が失われている状態では、肌の細胞の間だけでなく、細胞内部の水分まで失われてしまっている状態なので、肌のハリがなくなってしまったり、シワができてしまったりと一気に老化するスピードが加速していきます。
セラミドには紫外線から肌を守る役割もあるため、失われてしまうと紫外線によるダメージをすべて受けてしまうので、シミができやすくなるのと、光老化により深いシワができる原因になってしまいます。
紫外線によるダメージや光老化はこちらをご覧ください。
セラミド不足は、連動して肌に様々なトラブルを引き起こしてしまうため、セラミドが減少しないように心掛けなくてはなりません。
また最近では、アトピー性皮膚炎が起こる原因が「セラミド不足」によるものだとわかっています。
人間は、30歳頃からセラミドを作る力が弱まっていく事が分かっているので、体内からも体外からもセラミドを補給して、アンチエイジングや肌トラブルに対するケアを始める必要があるのです。
アンチエイジングについてはこちらをご覧ください。
【20代が老化の分かれ目!】老けない男になるためのアンチエイジング
まとめ
肌を健やかに保つには「セラミド」が欠かせません。
セラミド不足は、様々な肌トラブルを連鎖的に起こしていくため、すぐに対応しなければ色々な場所に変化が出てきます。
外部からも内部からもセラミドを補ってあげることで、乾燥や年齢に負けない肌を作っていきましょう。