私たち美容師は他の職業の方と比べて、初対面の女性と長い時間話す機会が圧倒的に多くなります。
また弊社が大阪の中心部に位置すること、自分自身が関西育ちであることから「盛り上がらない話」「相手を笑わせることが出来ない話」が好まれない環境で生きてきたため、様々な話す技術が自然と身に着いてきました。
そこで本日は「話が苦手」「どんな話をしたら盛り上がるのかわからない」といった人に向けて、初対面の女性とも上手く会話を盛り上げるために、普段から私自身が気を付けていることを解説していこうと思います。
話し始める前に相手をよく観察する
外見に出る情報から自分に対して相手がどれくらい警戒心を持っているのか、ある程度判断することができます。
例えば、自分が笑顔を見せたときに笑顔で返してくれる人は話を聞いてくれやすいとか、腕と足の両方を組んでいる人は自分に対して強い警戒心を持っていることが多い、といったことがわかります。
事前に相手の自分に対する感情をある程度把握できていると、最初に切り出す話題で相手の心を完全に閉ざしてしまう致命的な選択ミスをしてしまうリスクが低くなります。
最初は読み間違えることもあるかもしれませんが、慣れてくると取り返しがつかないほどのミスをすることはなくなります。
最初に切り出す話題でほぼ勝負が決まる
ここで失敗してしまうと相手が心を閉ざしてしまい、リカバリーするのがかなり難しい状況になります。
相手が乗りやすい話題、意外性を狙った話題などで一気に引き込むことができれば、その後は特に難しいことはありません。
「つかみ」がうまくいけば自然に会話のラリーが続くようになります。
注意する点は話すことに夢中になりすぎない事だけです。
話すことに夢中になりすぎて一方的に話し続けてしまうと、聞いているだけの相手は疲れてしまいます。
会話が盛り上がっている時は、お互いが話してラリーが続いている状態です。
一方的に話してしまう人は相手の話を聞くことが出来ていません。
相手は自分の考えや話したいことが聞いてもらえず、とても不愉快な気分になります。
盛り上がる会話は2人で作っていくものだということを忘れないようにしましょう。
盛り上がる話題選びのコツと外すことがほとんどないテーマとは
- 相手がその話題に興味があること
- 自分がその話題に関する知識を持っていること
この2つの条件を満たす話題を選ぶようにしましょう。
相手が興味のない話題を選んでしまうと、まず相手に興味を持たせた上で話を盛り上げなければならないので、かなり難しい状況になってしまいます。
トークスキルの高い人であれば何とかできるかもしれませんが、それでもかなり厳しい状況になります。
そのため相手が興味があり、その事柄に対して考えや意見がある話題を選んで、相手が気分よく話してくれる状況を整えるのが会話を盛り上げるには簡単で効果的なのです。
次に相手が興味を持っている話題を提供できた時に、その話題に関する知識を自分が持っていないと会話が続きません。
知識がないと相手の話している内容を理解できない、共感できない部分が多々出てきます。
こうなってしまうと相手の話に対して上手く話を返せなかったり、上手く表情やリアクションが取れず、相手に「この人は自分の話に興味がないんだろうな」と思わせてしまうことになります。
この2つの条件をクリアできる話題が見つかればそのまま会話を展開していくことができますが、全く話題が思いつかない場合のあります。
そんな時には「健康」「最近のニュース」この2つのテーマから話題を選ぶと良いでしょう。
この2つのテーマのどちらにも全く興味がない人はまずいません。
誰しもが絶対にどこかで耳にしたことのある話題なので大失敗はまず起こりません。
とにかく困ったらこの2つの話題から選んで、会話中に話を広げられるテーマが見つかればそちらに話を展開していけば自然に会話が盛り上がっていきます。
常に新しい情報や知識に対してアンテナを張り続ける
情報と知識を増やし続けて会話の引き出しが多くなってくると、1人1人異なる話題の好みに対応することができるのです。
ただし自分の好きなジャンル、得意なジャンルの知識だけを増やして深く掘り下げていくだけでは、大きな効果は得られません。
今まで興味を持てなかったジャンルや、仕事と全く関係のないジャンルなど知識の幅を広げることが、会話力を上げる為には必要なのです。
まずは自分の興味のあるジャンルに近いものから取り組んでいくと、あまり苦痛を感じることなく幅を広げていくことが可能です。
また知識の幅が広がることで会話するための力が伸びるだけでなく、教養を身に着けることにもつながります。
相手の反応を見ながら臨機応変に話題を変える
話しつくしたり、その話題に飽きてきたりすると一気に会話に対する熱が冷めてしまいます。
盛り上がっていた会話が一気にトーンダウンすると、何とも言えないような気まずい空気になってしまいます。
この気まずい間を埋めようと早く次の話題を探そうとするのですが、焦って何も思いつかなかったり、なぜこの話題を選んでしまったのだろうと思うようなテーマを選んでしまい、気まずい空気をよりひどくするといったミスが多発します。
こういった状況を作らないように相手の表情が変わったり、興味がなくなってきたような仕草が見えたら、素早く察知し話題を変えたり、話を切り上げたりすることが必要です。
会話は流れが1度切れてしまうと、再び盛り上げるためには先ほど盛り上がった時以上のパワーが必要になります。
相手とまだ話したいと自分が思う場合は上手く他の話題に移行し、もういいかなと思う場合は話を締める方向へと進めていきましょう。
会話に否定的な意見や結論は必要ない
会話の目的は相手のことを理解することや楽しむことであり、1つのテーマに対して論理的に結論を導き出す議論とは目的が全く違います。
話しているうちに説教クサい話をしてしまう人や、すぐ否定的な意見ばかり言う人はまず会話ができていません。
よくあるのが女性が楽しむため、共感するために話始めたのに男性が「こうするべきだ」といった結論を導き出すことに必死になってしまい女性が怒るというケースです。
2人で楽しく話したいという目的で話始めた人に対して否定したり、求めてない答えを勝手に導き出して押し付けてくる人と話をするのは非常に不愉快なものになります。
友人や恋人のように関係性が深ければ怒られるだけで済むかもしれませんが、初対面や数回あっただけの関係性の薄い相手であれば、おそらく2度と口をきいてくれないでしょう。
男性は特に話がヒートアップして対立を起こし、議論になりがちなので注意しなければなりません。
会話を盛り上げるうえで対立が起こることは絶対に避けなくてはなりません。
相手の意見や考え方を理解し、楽しくコミュニケーションをとることが会話です。
そのため相手の意見に対する否定は会話には基本的に必要ありません。
ただ話をより盛り上げるために相手が笑いながらツッコんでくれるような否定をたまに挟むと、より話が盛り上がったり、そこから話がより広がっていきます。
流れを読みながら上手くこういった否定を入れることが出来るようになれば、誰とでも会話を盛り上げることができるレベルであると言えるでしょう。
※これを狙ってスベってしまうと、目も当てられないような恐ろしい空気になるので、慣れてくるまでは絶対に止めておきましょう。
聞いている相手のことを考えて話に【オチ】をつける
話にオチをつけるというのは相手を笑わせるためのものとされていますが、相手を話しに引き込むこと、反応を返しやすいようにするための「話の構成」です。
ですので常に笑いを取りに行くことを狙う必要はありません。
しかし、オチのない話は会話を切ってしまう可能性が高くなります。
相手が話に対する反応を返すのが得意であれば何とかなるかもしれませんが、反応を返す側が話を繋げるための良い返しが出来なければ話が切れてしまうので、話を聞く側の負担が極端に大きくなるのです。
例えば長い話を聞いて話の結びが何の変哲もない感想であれば、反応を返す側は
- 要点をピックアップする
- 自分の考えをまとめる
- そこから話が切れない返しをひねり出す
といった作業を行わなくてはなりません。
これでは話をしている側は好きなことが話せているので満足ですが、聞いている側は疲れがたまっていくだけになってしまうのです。
話すときは相手が興味を持てるような構成で、反応を返しやすいような結びになるように注意しながら話し、聞くときは相手が話しやすいように相槌をいれたり、相手の話に対して話が続くような返しを考えて聞く、といった風にお互いが相手のことを考えて歩み寄らなければ盛り上がる会話にはならないのです。
引き際を見誤らないように気をつけよう
もう少し話したかったと感じるくらいのところで切り上げるのが良いでしょう。
話し尽くしてしまうと満足しますが、少し物足りなさを感じると、またあの人と話したいと思うので次に繋がりやすくなります。
ただ初対面の時に話し尽くしてしまうと、次に話す時に前回よりも求められるハードルが上がってしまっているので、相手の期待越えることが難しくなります。
また会いたい、話したいと感じる相手には余力を残したまま引くのが、次回も楽しく会話するために最も良い引き際と言えるでしょう。
まとめ
普段からこれだけのことを考えながら話をするのは難しいと思います。
最初は意識しながら話す為、ぎこちなくなってしまうかもしれませんが、慣れてくれば自然とこれらが出来るようになります。
また感覚的に人によってこの話題は興味があるだろうとか、この話題は絶対にしない方が良いだろうというのが分かってきます。
話がいつも盛り上がらないと悩んでいる人は、まず知識の幅を広げるところから始めると取り組みやすいのでやってみてください。